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  3. 症例 側弯症 妊娠中のぎっくり腰、肩こり、下腹部痛など 出産後に悪化(20代女性)

問診票より 主訴:腰痛、肩こり

いつ頃から、どのような症状が起きましたか?

2002年1月から腰痛があり、程度の強弱はあったものの痛みがずっとあります。2002年1月に流産し、3月に妊娠、11月に出産しました。腰痛はホルモンバランスが原因かと思ってましたが、未だに続いています。
歩いていても痛く、酷いときは立つことすら出来ずに四つ足でトイレに這っていくほどでした。夜中、寝起きが特に痛いです。
肩は2003年1月頃からです。

現在の状態はどうですか?

整形外科で側湾症・腰筋筋膜症と診断されました。授乳中のため、薬は飲めず、湿布だけいただきましたが効果はありません。数回接骨院でマッサージをしてもらいましたが、全く良くならず、むしろしていただいた直後は痛みが増してます。
肩は左側の方が痛みは強くなっています。

苦痛の原因について思い当たることがあれば説明してください。

側湾症とは知らずに身体に無理をさせていた。病院の指示で、妊娠中に腰帯を巻かずに居たので負担が大きかった。肩は赤子を抱くので。

今までの治療法は? また、そこで何と診断されましたか?

上記2で記した以外、自宅で灸をしました。ほぼ毎日サウナに入って揉んでます。

カルテ

当院にて確認したこと

  • 1999年頃に交通事故に遭い、第6~7胸椎を骨折
  • 2002年1月流産した頃の腰の痛みは強く、しばらく寝たきり状態だったとのこと
  • その後5月くらいまで仰向けで寝ることが出来ずにいた
  • 9月頃に右仙腸関節付近から強い痛みが出るようになった
  • 妊娠中より胃腸の調子も低下気味

動作時の痛みが強く、姿勢によっても痛みが強く出てくるため、出来ない動きの方が出来る動きよりも多い。
施術台に横になってもらうと、仰向けの姿勢がとれない上、うつ伏せも不可。右側を下にして横になると右仙腸関節部に身体の重みがかかるため、長時間同じ姿勢はとることが出来なかった。授乳は左を下にして横になって行っていたそうだ。


施術とその経過

施術は痛みが強く出来る姿勢が限られるため、痛みが出ない姿勢を優先して、左を下にした横向きと座ったままの状態で行った。しばらくは2~3日おきに通院してもらう。
最初の2回は関節へのアプローチを行って反応を見てみたが、あまりはっきりとした改善は認められなかった。そのため、筋肉の収縮を助ける施術へ切り替えて様子を見てみると、こちらの方が反応が認められたため、しばらくは筋肉へのアプローチに専念してみる。
三週間経過後、痛みは変わらずあるものの、とれる姿勢が段々増えてきた。仰向けの姿勢も短時間なら痛みがなくなってきたため、施術のバリエーションを次第に増やして行う。
その後は週1回の通院に切り替える。まだこの頃は状態が不安定で突然の痛みのため動けなくなったりすることもあった。
一ヶ月半経過時点でようやく通常メニューでの施術が行えるほどに回復してきた。そのとき改めてそれまで出来なかった動作のテストを行う。体幹の筋力が低下していることと、脚力が弱っており、姿勢を保持することがまだ難しい状態のため、体支持力を高めるための施術を行っていくことに。
三ヶ月経過した頃に腰の痛みは多少残るものの、日常生活に支障を来すことはなくなった。軽いウォーキングから始めるようになり、その後は膝などに軽い痛みが出たりはしているが再発することはなかった。
四ヶ月経過した時点(2003年6月)で、「後は自分で治していきたい」とのことで、本件での施術を終了。
その年の10月に本人から「完治した」と連絡があった。