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  3. 症例 寝違えと右肩の不調による諸症状(30代男性)

問診票より 主訴:首の痛み、頸椎ヘルニア

いつ頃から、どのような症状が起きましたか?

1年以上も前から、首が痛く回らなくなった。
ケーツイヘルニアと診断された。

現在の状態はどうですか?

痛い

苦痛の原因について思い当たることがあれば説明してください。

姿勢が悪い。剣道

今までの治療法は? また、そこで何と診断されましたか?

整形(MRI) ケーツイヘルニア

カルテ

当院にて確認したこと

来院時は痛みにより頸部を動かすことがほとんど出来ない状態であった。
肩関節の可動範囲は左側は多少狭まっているものの、正常の範囲内。ところが右側は肩の高さよりも上には自力で持って行くことが出来ず、その際に重だるさを訴えた。
出来る範囲まで右側を挙手してもらい、腕をこちらで支持。その状態で首を動かしてもらうと、何もしていない状態よりも症状の軽減が確認できた。典型的な寝違えの状態。
頸椎ヘルニアの件と今回は無関係であると判断。
問診票にもあったが、同時に

  1. 頸部の痛み
  2. 肩甲部に重だるさ
  3. 腰痛
  4. 左の股関節にコリ、疲労感
  5. 右肩関節は動かしにくさと痛み
  6. 右肘にも痛み

を訴えていた。


施術とその経過

頸部には触れずに、まずは主に右肩関節の可動性の改善を試みた。周辺の筋肉の緊張も強く、軽く接触するだけで強い痛みを訴える箇所もあった。
施術後は右肩関節の可動性には大幅な改善が見られた。肘の痛みも軽減。頸部の痛みについては、上方へ向く時の痛みは残り、まだ左右へ向く時にも痛みは軽減したが、下方へ向く動作については痛みが無くなったことを確認した。
1週間後に来院した時には、痛みはだいぶ引き、日常生活に差し支えることも無くなった。
改めて調べると、右肩関節の可動性は前回よりも回復しているものの、やはり左側に比べるとかなり狭まっていることが確認できた。
お話を伺うと、普段週末に剣道を行っている時も右腕には不自由を感じることが多かったそうだ。剣道の場合、右側は竹刀に添えていることが多いので左腕より負担を感じるアクションがあるわけでは無いのに、右の肘に痛みを覚えるのはどうしてなのか疑問に思っていたとも。
右肩の状態の悪さが間接的に寝違えの症状や肘の痛みとして影響しているため、根本的にはこちらを改善していかないと症状を何度も繰り返してしまうと説明。
施術はしばらくの間は週一回のペースで行った。
3回目の来院時には寝違えの症状は完全に無くなった。右肩の状態も、徐々に可動範囲が広がってきている。
週1回~2週間に1回のペースでの来院は約半年間に及んだ。右肩の状態は完全に左と変わらないレベルまで回復。
その後はメンテナンスとして月1回のペースまで落として、約2年半通院。
仕事が忙しくなり、しばらく剣道が出来ないような生活になると、症状が再発した。来院時に右肩関節の可動範囲が狭まり、寝違えの症状や肘の痛みとして出てくることもあった。
仕事が楽になり、剣道の他にもランニングやサイクリングなどを行うことが出来る時は快調を保っていた。
転勤のため、施術を終了した。