２９歳（女性）主婦
4月１７日に来院。数年前から慢性的に肩こり・腰痛があり・肩こりがひどくなってくると頭痛もするそうである。
また、３月に開腹手術を行なっており自宅で療養しているが傷口が痛み、それをかばうように生活しているうちに症状がひどくなってきたとのこと。
身体の動作を見てみると前屈で床に手を付くことが出来ない。後ろに反ろうとすると腰と手術の跡が痛むようである。左右への動きも固い。首の動きも殆どの動きに痛みが伴い、左右へ側屈で動きに制限が見られた。
施術は手術した跡にストレスが加わらないように注意深く行なう。施術後再び動作の確認を行なったところ前屈時に床に手が辛うじてつくようになり、後ろへ反るときも痛みはないようであった。その時お腹をかばおうとする行動を起こさなかったので訊いてみるとあまり気にならなかったとのことであった。
日常的なケアとしてのストレッチを指導。
当初は週２回くらいのペースで施術を行なう。３回目の時にはすっかり痛みもなくなり、その後は週１回のペースに落として様子を見る。７回目の時には既に２週間に１回のペースまで落としていたが、大きく状態が悪化することもなかったため、後は再発防止の目的で来院することを勧める。
開腹手術後に症状が悪化することはよくあります
この方は状態としてはそれほど悪いわけではありませんでした。おそらく、これまでも慢性的に症状が出ているとはいえ日常の生活の中で運動をしたり身体を動かしている時には症状は和らいでいるか、全く苦痛を感じる事はなかったのではないかと思われます。こういった状態が肩こり・腰痛の初期状態です。初期の状態では伸びをしたり運動など身体を動かしているうちに回復していることが多いのです。
しかし、風邪などと同様で初期の症状を甘く見て放置していると自力では回復できないようになってしまいます。
この方は手術後の自宅療養で身体を動かさなかったことから身体が錆びついたような状態になってしまったのでした。開腹手術の場合、腹筋にメスが入るため、腹筋が弱ってしまい腰痛の症状が起こる場合が多いです。帝王切開で出産なさった方なども同様です。
しかし、その後の処置が早かったため、回復のきっかけをつかめば後は順調に回復することが出来ました。
皆さんには出来れば初期の状態の時に施術をお受けになることを強く勧めます。風邪などと同様こじらせると後で大変苦しい思いを味わなければならなくなります。また回復期間も長期化しますので、施術もそれだけ必要な回数が増えていってしまいます。
軽いうちならば短期間に回復しますし、施術もただ気持ち良いだけです。受けているうちに寝てしまうヒトもいらっしゃいます。